2011年03月24日

バビーン釣行記

虹鱒の降海型をスチールヘッドと呼ぶ、元は虹鱒なのでフライの反応はすこぶるよい。
楽しさならこれがお勧めだ。


有名な川がたくさんあるようだが、どうせならデッカイのを釣りたいと選んだのはバビーンリバーだった、メーターオーバーも可能だというし是非挑戦してみたかった、サクラマスの練習にもなるかと思いカナダに思いを馳せた。

9月から盛期を迎えるバビーンリバー、10月一杯で雪の為ロッジは閉鎖される。そしてロッジは数年前から予約でいっぱいだ、どのロッジも2年待ちだと言われていた、たまたま11月まで開けるとロッジから連絡があり、これを外すと予定は立たないし、無理して6人で挑戦した。

カナダからスミザース空港を目指した。
今回は会長さんも一緒である、Gloomisダブルハンドを買って張り切っているが、キャスティングに問題があった。練習ほとんどしていない・

一路小さな空港に向かった、現地では小さな空港に移動する。
小型プロペラで移動するのだが、荷物が重く問題発生となる、荷物と一緒なら重量オーバーになるので荷物は次の便にしてくれと言う、外人が太りすぎてそれが重いんだと反論したが無駄だった、そして不安その1を抱えて飛んだ、そのプロペラ機。
飛んでいる途中時々プロペラが止まるのだ、赤いランプがポンと付き、アナウンスがある。
パイロットが何言っているが解らない、だが窓を見れば判る、あっプロペラ止まってら!
飛行機はグライダーと呼んでいいだろう。・・・でも時々はプロペラ回るんですよ。
冬間近のカナダの空は不安定でスチュワーデス《懐かしい》から渡される飴玉をつい力んで噛み潰してしまう。命からがら着陸、プロペラは着地してから軽快に回った。

荷物を待ってワンボックスのボルボが迎えに来た、我々と外人のフィッシャーマン一人を乗せて山に向かった、途中の川もスチールヘッドが釣れるんだぜと自慢している、確かに釣り人がポツリ見える、川は決して綺麗ではなかった濁っていて増水している。
林道に入った、この山の奥にヘリが待機しているんだ、もう少しだぞ。と運転手は口が軽い。
不安その2がやってきた、山の木は杉の様に真っ直ぐで時々自然発火し山火事の後がある、ここに何がいるんだい?
と質問には"ウルフ"と返事が帰った。
車は進むとボタボタと雪が落ちてきた、あっとの間に積雪は車の腹をこする深さに達した、このボロボFRじゃん、ケツを振る振る。
左は谷底、右にはウルフ。車内はあ〜がっ〜と二ヶ国語の悲鳴。
たまりかねた運転手はチェーンをだした。あったら早くだせよオンメ〜と少し安心を載せてホロボは進む、雪は先が見えないくらいに降り、車は進めない状態になった。
 
誰もが諦めた瞬間、雪の中からヘリコプターが目の前に現れた。全く映画そのもの、シルベスタースタローンのランボーの冬バージョンっすよ。
ひょっとして我々遭難したの?

ヘリは雪を飛ばし降り立った、あんまり遅くて迎えに来たって話です、もっと前に迎えに来いよって事でしょ。ウルフに食われる所だったんよ。
ボロボの運転手はどうなろうが知った事じゃない、ヘリに乗り荷物を

・・・荷物・・

なんに〜荷物を積むスペースが無い〜!!

往復の油なんて無〜い!!

そんなに金貰ってな〜い〜!!

どうすんのよ!

そこで私は勝負を挑んだ。


ヘリの足に荷物縛りつけるべ・・・してやっちゃったのだ。こんな時ってアメリカ人大好きなのね、日本じゃあり得ないがやってくれるのよ〜。

ヘビーヘビーと言いながらヘリはバビーンリバーのロッジを目指した。
バビーンには道路が無いのでヘリ以外の交通手段がない、少し割高なのはそれもある、ガイド料も普通の倍の値段なのです。その気になればガイドなしでも出来ますが、川沿いの道は獣道で熊と出会う覚悟が必要です、それさえクリアーできればガイドなしの格安で行けますよ。熊と会わなくてもウルフと申すものもおります。

ロッジは幸い晴天で私達を迎えてくれた、きれいなお姉さんも居てました、名前はカレン。それを見た瞬間全員ウルフになったようで、吠える吠える。

ロッジは母屋と我々の小屋があり各自釣りの準備です。食事前に一発川に入ってフライを流すのでした。まあ余興は終わり酒宴。

目覚めた朝は−10℃、しかし寒くなかった暖炉の煙は真っ直ぐに伸び、無風なので不思議と寒くはない。カレンの笑顔で一日が始まる。

不安その3の始まり、ボートで移動し川に二人ずつ下ろしていく、ゼアーゼアーとポイントを教え居なくなる。
熊は冬眠で居ないといいウルフは夜しか出ないから心配ないと・・・・
熊避けスプレーを渡す、そんならいらないじゃん、と言うと絶対離すなという。な〜ぜ?

茂みに行くなよと言って置いて行く。

だから川から離れないでいる、会長とフライを流し茂みがざわつくものだから近寄ってみた。

でった〜でっけ〜腰抜けた〜そこにはムースがいた、ヘラジカだ!サンタクロースのトナカイの化け物だ、1.5mのデッカイ角を二つ頭に着けている、重くないかと聞いたら首を縦に振った、重いらしい。
ここのムースは馬よりでかい、そしてクルッと後ろを向いてオスのムースはメスのムースに飛びかかり腰を振っていた。会長と二人でムースのセックスを見て興奮していた。
会長はすっかり釣りを忘れ死んだムースの角を拾いセックスの写真を撮れやら角の写真を撮れやら注文している、邪魔をすると蹴り飛ばされるからと会長を引き剥がし川に戻った。


笑いが止まらない二人は釣りに集中できずフライを流す、油断していたら突然フライを引っ手繰られた。リールのドラグは強くしないと焼きつくからとスギサカプロに言われていた、このドラグなら大丈夫だと思っていたのに、一発目でリールが壊れた。
200m走るよと聞いていた、そんなに走るもんかアホクサと思っていたが、そんなには走らなかったが遥か彼方へとフライは引きずられていた、あそこまで走られると魚も捕れないしリールも壊れるわな。
リールを交換して68cmが釣れた、メジャーで計っていると会長に寄せられた。
会長は魚貸せ、写真撮れと、真面目顔である。自分で釣れよ写真撮ってやっからさ!

そして会長が言うには、あんなにパワーがあるなら俺には無理だ68歳だってば、飲み屋のお姉さんにデッカイノ釣って来るって言ってしまったのよ、もし釣れなかったら恥ずかしいべ、保険でこの魚の写真撮ってくれ!!
と切実に訴えるではないか、会長は写真を撮るとすぐにリリースした、あの〜僕の写真はどうなった

ん?

不安その4の始まり、そして朝、川には氷河がドンブラコと流れてきている、雪が降りその影響だろうと言う、まあうなずける。しかし水温が下がって氷河が流れて釣りになんの?って事です。ガイドは真冬の氷の中でもスチールヘッドヘッドは遡上して行くんだ、氷河なんか大丈夫と安心させようとしているが、顔は厳しい。    普通なら釣れる訳がない。
 しかしボートは皆を乗せて川を走る、ボートが走ると風を受けてウェーダーがピキピキピキと音を立てながら凍っていく。氷河は途中の支流から入ってきていた、その支流に・・・俺を下ろすんかい!本日の犠牲者みたいなものじゃん。

釣れる気も無くいやいやフライを流していた、ガイドはフライを流していれば対岸からスチールヘッドが飛び掛ってくるから頑張れと言ってくれた。そんな元気な魚いるもんかい、調子いい事いいやがって。
そして対岸から飛んできた元気印がいた、それは元気のいいメスで、対岸から飛んできてフライを加え、対岸にジャンプ2回で帰っていった、イルカじゃあるまいし、そんなのいたのか、フライは外れていた。
川幅40m、あり得ない光景だった。水温が低くガイドが凍っていたので針が外れたようだ、身切れだったのか、−2xは切れるものじゃないし。なんだか自分の想像の出来ない世界がそこにあった。

不安その5、夜になり犬が吠えた、ロッジのオーナーは急いで外にでた、そしてショットガンがズドーンズドーンと鳴った。何事かと皆は飛び出した。

ウルフが来たのだ、今居る番犬が最後の一匹だと言う、毎月一匹ずつウルフに食べられていると言う、最後の一匹が食われると次は俺達だと真面目に言うのだ。

お前等夜に外で立小便するからウルフが来るんじゃ

。と。

寝苦しい夜を過ごし、朝を迎える、増水で濁流といって良いほどだ、茶色の濁流はポイントなど全くなく、中止だと思った、しかしガイドはレッツゴーハリアップと元気がいい、会長は濁流の小さなポイントに一人降ろされた、会長が見える少し上に自分は降ろされた、川を見ていたが、釣りになる条件は見当たらなかった。

会長は言われた通りに目の前の5mほどのプールにフライを垂らした、ダブルハンドでキャストできる範囲でもない。次の瞬間会長は根がかりだと思いリールをロックした、針の先にはスチールヘッドがいた、引き込まれると水没死、走られると捕れない、できることはただ一つ、竿が折れるまで耐え忍ぶ事。

そして耐え忍んだ、ぐったりしたスチールヘッドヘッドを岸にズリあげ手で水をチャプチャプとかけていた。ヘヘヘと笑う魚は見事98cm天晴れ会長。

それに挑発され自分も立ち込んでつい、水没。
氷河の水は冷たくじっとしていても体がブルブルと震えお笑い芸人のようになってしまう、一人送ってもらい、ぬるいサウナに入りリビングでカレンとお話しをしていた。
そしたら一緒の男がカレンの野郎だって話だった。ファック。

その時ドリーバーデンが釣れていた。60cmのオショロコマの降海型だ、食べれば美味しいなんて言うのでキープしたが美味しい魚ではなかった。自分は本来川魚は好きではないのだ。

又もや会長と自分がやらかした。上流の大場所での事、4人で釣っていた、対岸ではヒットと同時に川を上流に遡る大物がヒットした、どんなに止めようとしても無視して上流へ走る、頑張ってロッドを押さえていたがバレだようだ。キングサーモンだったらしい、ロッドをもって引きづられる釣り人を見たのは初めてだった、彼は腰を抜かして座っていた。

大物ポイントだけあって会長にもヒット、絶対に捕ると会長が奇声をあげた、リールを握り締め腹に押し付け完全ロック、Gloomis12#のロッドは水面に刺さった、ガイドはボートで飛んできた、会長はジリッジリッと川に引き込まれていく、それでも絶対にリールは離さない、会長の身体は丸くなったままだ、頭が水面に着く、そして最後の力で会長はズリ下がった。ガイドは会長が流されるだろう場所で待機している。そして浮いたスチールヘッドは1mの大物、会長は勝った。満足した会長は座ったままでゼイゼイと暫く動けなかった。

負けてたまるかと自分が大物を狙ったポイントはあそことガイドか言う、もっと入っていけとボートの上から言う、深いのに・・・・そして予想していた。

沈。

少し流されちゃいました。何度沈してもやっぱ寒い・・。

後半は魚の付き場とフライの流し方が解り最終日だけで16本ヒットさせた、フライの流し方がよければフライはさほど選ばなくていいのが解りサーモンフライも使ってみた、それらのフライは実にいい仕事をした。

バビーンリバーは想像以上凄い川だった、いろんな知りえない事がそこにあり、謎解きをしながらの釣りだったと思う。
いろんな釣りに共通する何かがたくさんあったバビーンリバー、最高のひと時でした。いつかまた。


あのボロボが帰りに迎えに来ていました、大丈夫だったようです。

ビデオ水没写真不明・いつでたら・・また
posted by Rhogan at 19:09| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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